書評

佐藤優『国家の罠-外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮文庫、2007)

2年前に前立腺がんを公表してびっくりしましたが、今でも書評家として活躍されている佐藤優さんの著作です。『自壊する帝国』と並ぶ傑作です。いざというときの国家権力がどういうものか、知っておいて損はありません。お勧めです。文庫版初版から既に15年...
書評

山本康正『2025年を制覇する破壊的企業』(SB新書、2020年)

著者は、先進テクノロジーに関する評論などで露出の多い方。本の内容は、テクノロジーを発展させ、躍進を続ける企業11社を取り上げて紹介しています。登場する11社に共通していると思えたのは、変わり身が早い、ということです。ダメ元でチャレンジするも...
書評

楠木 新『定年準備』(中央公論新社、2018年)

そろそろ視野に入ってきたので、読んでみました。文字どおり、準備を始めなければと思うようになりました。 この本の中に書かれているように、かつての就職活動と言えば、特に新卒の段階では、大学時代の尊敬する先輩の就職先に惹かれてとか、先輩から誘われ...
書評

清水ともみ『命がけの証言』(ワック株式会社、2021年)

中国がウイグルで行っていることを多くの日本人が知り、日本にもその脅威が迫りうることを感じてほしいです。 読後感は、漢人のDNAは基本的に残虐である、ということでした。というのも、前に読んだことのある、藤岡信勝『通州事件 目撃者の証言』 (自...
書評

ジェフリー・フェファー(村井章子訳)『「権力」を握る人の法則』(日本経済新聞出版、2014年)

会社員や公務員を問わず、組織で働く人、特に今後ふるいにかけられる20代後半から30代前半の人たちが読むのにふさわしい本です。 どんな仕組みで組織の上級職が誕生しているのか、答えは極めて世俗的です。世の中は公正・公平ではないのだから、いかに要...
書評

袁翔鳴『蠢く!中国「対日特務工作」㊙ファイル』(小学館、2007)

創価学会が中国と結び付きの強いことは、この本を読むまでまったく知りませんでした。ある意味、創価学会は、中国共産党にとって、親しくなった日本の団体として、対日工作の成功例と言えるでしょう。しかし、このような状況では、創価学会の政党である公明党...
書評

佐々淳行『私を通り過ぎたスパイたち』(文藝春秋、2016)

若い頃は歴史モノにまったく興味がありませんでしたが、齢を重ねてきたことの裏返しか、最近はその歴史モノが面白いと思えるようになってきました。昭和のゾルゲ事件について詳しく知りたかったので読みました。 戦中の時代、ドイツの新聞記者を名乗りながら...
書評

竹山道雄『ビルマの竪琴』(新潮文庫、1959)

書名だけはかねてから知っていましたが、読む機会がありませんでした。児童文学書に分類しておくのではなく、もっと大衆向けの書と分類してもいいくらいの本です。 『アーロン収容所』では、イギリス人が日本人を含む東洋人に対して侮蔑、動物的扱いをするこ...
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本多静六『私の財産告白』(実業之日本社、2013年)

リべ大の両学長が紹介していた本です。よかったです。 江戸時代から昭和時代にかけて著者のような逸材が存在していたことは、もっと多く知られてもよいのではないかと思いました。前半はまさにタイトルどおり蓄財の方法、後半は処世術のようなことを述べてお...
書評

安倍晋三『安倍晋三回顧録』(中央公論新社、2023年)

面白かったです。現役の政治家のみならず、これから政治家を目指す人にとっても、政治とはどんなものであるのか知るために必読の書だと思います。特に行政を動かし、いかに自分の理念や政策方針を実現させるべきか、それには組織的に対応していかなければいけ...