書評

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近藤麻理恵『人生がときめく片付けの魔法』(サンマーク出版、2010年)

読みながら思ったことは、著者の実家は裕福であった、ということである。たくさんのモノで溢れかえるほどにモノを買えるだけのお金があったということなのだろう。お金がなければ、それほどにモノを買うことはできず、したがって、片付けが必要なほどに増えな...
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ラトナサリデヴィ・スカルノ『デヴィ・スカルノ回想記 栄光、無念、悔恨』(草思社、2010年)

面白かった。インドネシアという国の戦後の歴史を知りたい人にとってはとてもいい教材となる。 何かの本を読んでいるときにこの回想録のことが述べられていて、そのときにアマゾンでちらっと調べて高評価となっていたので、ずっと気になっていた本であった。...
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門田隆将『新聞という病』(産経新聞出版、2019年)

著者曰く、自らを「『毅然と生きた日本人』をテーマにノンフィクションを書いている」と表明している。門田氏執筆の本、初めてだった。 現在は、ネットで簡単に世の中のニュースを知ることができるが、私は今でも戸別配達される新聞を購読しており、気になる...
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ヘルマン・ヘッセ(高橋 健二 訳)『車輪の下』(新潮社、1951年)

周囲の期待を背負った少年が苦悩しながら生きるさまを描いている。読みながら情景描写をできた。著者であるヘッセ自身の自伝ともされており、名著とされているが、正直、自分には響くことはなかった。
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山本有三『路傍の石』(新潮社、1980)

中学校に進学できなかったので、丁稚奉公として仕えることになった伊勢屋。そこには、中学校に進むのがもっとも似つかわしくなかった同級生の秋太郎がいた。その秋太郎の宿題をすらすらと解いている当たりの描写は痛快だった。 タイトルどおり、道端にある小...
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エマニュエル・トッド(堀茂樹 訳)『問題は英国ではない、EUなのだ』(文藝春秋、2016年)

タイトルに即した内容なのは、第1章の「なぜ英国はEU離脱を選んだのか?」のみ。第3章の「トッドの歴史の方法」は読んでいて眠くなる内容であった。 後半章の今日の世界情勢に関する時事論集のうち、日本に関する記述は日本人として考えておくべきことで...
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勝間和代『お金は銀行に預けるな』(光文社新書、2007年)

既に初版発行から16年も経っているので、読んでいて古さを感じることは否めない。しかし、書いてある内容はいずれも正しいと考えられ、納得させられものである。 不動産に関する考え方について、バブル崩壊以降、日本の地価は長期低落傾向にあるため、多額...
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渡辺京二『逝きし世の面影』(平凡社、2005)

名著である。他人に自信を持ってお勧めできる本。著者は、年末に亡くなった渡辺京二さん。一時期、共産党に属したこともある方だが、その後離党している。 ここ4、5年、日本凄いねというYouTubeやテレビ番組が多いが、その原点に相当するものかもし...
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小田周二『524人の命乞い』(文芸社、2017年)

若干の誇張感があるが、それによって読み手を引き込んでいるようにも思われた。読みながら疑問に思った箇所は以下のとおり。・墜落現場の乗員・乗客は毒ガスにより殺されたとあるが、その根拠までは示されていない。・123便の墜落は、自衛隊機がミサイルを...
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石原慎太郎『天才』(幻冬舎、2018年)(文庫版)

日本の高度経済成長を主導した人物の一人、戦後政治を代表する人物の一人であることは、間違いない。大袈裟かもしれないが、ある意味で、この天才がいなかったら、今の日本はなかったであろうとさえ、思った。ロッキード事件でアメリカに嵌められたのは、中国...