書評

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中藤玲『安いニッポン「価格が示す停滞」』(日経BP、2021年)

Amazonで評価が高く、レビューも多かったので、かねてより気になっていた本でした。 安い日本である理由は、ひとえに日本人の給与が低いままだから、です。では、なぜ日本人の給与が低いかと言えば、日本人の労働生産性が低いからだと、本書に登場する...
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勝間和代『高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人』(小学館、2011年)

良書でした。著者は、自身について、奉仕の精神がなく、他人への共感力もないと感じているため、医学部進学できるだけの能力がありながら文系進学したと述べています。本書を読みながら思ったのは、著者は本当に頭がいいのだろうということでした。 本書で頻...
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バフェット太郎『バカでも稼げる「米国株」高配当投資』(ぱる出版、2018年)

約5年前の本なので今となっては古いですが、内容的には十分に今でも役立てられる本です。本書執筆時点で、毎月10万円の配当金を不労所得として得ていた著者による投資手法の紹介の本です。愚直に継続的に毎月10銘柄の高配当株に投資し、なぜそのようにす...
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前川孝雄『50歳からの幸せな独立戦略 会社で30年培った経験値を「働きがい」と「稼ぎ」に変える!』 (PHPビジネス新書、2020)

米国の研究者によると、人生の幸福のどん底にあると感じている年代は、一般的に50代前半がもっとも多いそうです(上図、注)。これは、会社員生活を送る人に限定した研究ではありませんので、50代前半の人たちに世界的に、普遍的に共通するというものです...
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石渡嶺司『転職は1億円損をする』(角川書店、2008年)

会社生活をしていると、どうしても嫌なことが付き物です。そうすると、今の会社を辞めて他の会社移りたくなるという気持ちが湧きます。そういう気持ちが起こって転職を考えたときに、ちょっと待って、よく考えてみてということを説明している本です。 このタ...
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太田泰彦『2030 半導体の地政学』(日本経済新聞出版、2021)

面白かった。半導体と世界情勢を結び付けて、さらに政治の話しも盛り込んでおり、読み飽きることはない。文章表現に新聞記者としての経歴が滲み出ている。 著者が言いたいことの一つは、米中対決により米国が中国に対して半導体関連の締め付けをすればするほ...
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高乗正行『ビジネス教養としての半導体』(幻冬舎、2022年9月)

現代の日常の生活や仕事のあらゆる場面で使用されている半導体。この半導体について、ビジネスパーソンなら基本的に知っておきたいことがコンパクトにまとめられている。 日本の半導体凋落の一因となった日米半導体協定についても、触れられているが、もう少...
ランニング

クリストファー・マクドゥーガル『BORN TO RUN』(NHK出版、2010年)

書評では黒星5つ満点を付けられていることの多い書籍だが、どうも私には響かなかった。なにぶんにも、原著が英語である分、意訳されているとはいえ、日本人感覚からすると、つながらない訳があったほか、意味不明と感じられる部分がままあったということも関...
書評

楊海英『独裁の中国現代史 毛沢東から習近平まで』(文春新書、2019年)

この本のあとに発行された石平『中国共産党 暗黒の百年』(飛鳥新社、2021年)と重複する箇所もあるが、重層的に読むことで、現在の中国を支配する中国共産党の多面的な理解につながる。 石平氏の著書がタイトルどおりに批評的に書いているのに対して、...
書評

國重惇史『住友銀行秘史』(講談社、2016年)

著者の暗躍があってこそ、イトマン事件の規模がもっと大きくならずに済んだということは確かに言えるかもしれない。最後のエピローグにある次の一文が印象に残った。「もし、銀行で頭取になりたいのならどうすればよかったのか。それは何もしないことだ。減点...