書評

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J.D.サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』(野崎孝訳)(1951)

世界的に20世紀を代表する不朽の名作と言われていて、日本でもベストセラーとなっているので、読んでみました。しかし、やっと読み終えたという感じで、私にはどうも合いませんでした。文体がずっと一人称で、なにしろ読みにくいです。 この作品が人生に影...
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ジェフリー・アーチャー『百万ドルを取り返せ!』1975年

wasi1370によるPixabayからの画像 原作に基づく映像が日本でもテレビ放映されたことがあるようなので、この作品を知っている人もいるだろう。 株式投資に失敗すればそのままあきらめる人も多い中、本作品では相互に知らない医者、貴族、画廊...
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藤原正彦『日本人の誇り』(文春新書、2011年)

ブックオフの100円コーナーに置いてあった本。パラパラ読んでみたら、何やらとても大切なことが書かれていそうだったので、買って読んでみた。 本のタイトルだけからすれば、この本が近現代史を取り扱っているとは想像できないが、実際は大半がその内容で...
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柚月裕子『検事の本懐』(KADOKAWA、2018)

なかなか面白かった。人気があるのも肯ける。欲を言えば、短編ではなく、もっと長編にしてほしかった。現実の検事の世界で、はたして、主人公、佐方貞人のような人物はいるだろうか。「本懐」という言葉の意味が響く小説であった。 柚月裕子という著者の本を...
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大津秀一『死ぬときに後悔すること25』(新潮社、2009)

25の後悔事項のうち、私が特に後悔しないようにしておきたいと思ったのは、16番目の「行きたい場所に旅行しなかったこと」である。世界、日本とも、行ってみたいと思うところはたくさんある。できるだけ多く訪れてみたい。 1番目の「健康を大切にしなか...
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ジョナサン・スウィフト『ガリバー旅行記』(1726年)

船乗りである主人公がさまざまな国に行って、一時的に過ごした国々のことを綴っている。自分よりも小さな人間だけの国、反対に自分よりも大きな人間だけの国、または馬が支配している国々などである。 本文中、次の記述があった。すなわち、「戦争の原因なら...
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河添恵子『セクシャルトリープ 性欲動 30歳の女たち』(恒友出版、1994年)

今は保守の論客として登場することが多い河添さん。対中批判家でもある。 YouTubeを見ていると、美貌の持ち主であると同時に、分かりやすい話し振りで、人気を博す要素を備えている方である。そんな河添さんの素性を知りたくなって、手に入れたのが本...
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三浦綾子『塩狩峠』(新潮社、1973)

よかった。 キリスト教が「ヤソ」と呼ばれ、ある意味日本でバカにされていた時代に、次第に好きになっていった「ふじ子」を通してその教えに開眼して信仰を強くした主人公の生き様は素晴らしい。 実話をもとに書き起こされたものだが、「あとがき」によれば...
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青山透子『日航123便 墜落の新事実:目撃証言から真相に迫る』(河出書房新社、2020)

経済評論家の森永卓郎氏が、経済とは直接に関係のない日航123便墜落事故を取り上げた本書にコメントを載せている新聞広告を見て以来、ずっと気になっていた。アマゾンでは、4つ星以上の評価、900以上のレビューがついていてどんなものかと、ずっと思っ...
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安藤広大『リーダーの仮面』(ダイヤモンド社、2020年11月)

内容はスラスラ読めたが、私の思考には合わなかった。帯カバーに「圧倒的共感で10万部突破‼」とあるが、私自身はとても共感とまでは至らなかった。 「誰が何をいつまでにやるかを明確にする」や「人は経験とともしか変わらない」などの記述は確かに同意す...