読むきっかけになったのは、前回読んだ『桐谷さんの株主優待のススメ』の本の口絵写真で、桐谷さんの部屋に「さらば外務省!」という蔵書があるのを知り、そこからAmazonで検索していたら、佐藤優さんのこっちの本の方が面白そうだと分かったから。
ぜひ、この本を読んで、国民監査員として、外務省での税金の使われ方の実態を知ってほしい。真面目に働いて取られた税金がこんな使われ方をされていたら、働く気力さえなくなる。読後の何よりもの感想は、外務省がいかに金銭にルーズかということ。報償費や機密費といった名目のもとに、国民の税金をもとにして愛人を作ったり、蓄財をしたり。民間会社なら当たり前の業務監査など行われていないのではないかと思えてくる。政府債務残高が世界で最悪な日本なら、外務省の報償費や機密費に大鉈を振るって削減してほしい。
一見、外務省は上品で華やかに見える世界だが、この本の内容をまともに受け取れば、腐った世界そのもの。田中真紀子・元外務大臣が伏魔殿と呼んだことも、今になって理解できる。いくらエリートでも、人間の本能にかかわる欲求は、普通の人間かそれ以上といってもいいくらい。難しい試験にそのときだけのために猛勉強して合格すれば、あとの人生は保障されるなんて、今の時代、通用しないと思う。華やかなイメージの世界の裏実態を知ることは大切です。これを読めば外務省勤務を推奨するようなことはなくなる。
現在の皇后陛下もこの省で勤務していた過去があるのは周知の事実。不謹慎ながら、この本を読んでいて連想せざるを得ないのは、この本で描かれるような目に遭ったことがないのかどうか。男性と互角に亘り合う実力と才能の持ち主だったから、または父が同じ省に勤務していることが省内で知れ渡っていたから、その種のことに関わるようなことはなかったのか。下種の勘繰りと言われればそれまでだが、そこらへんは読んでいてどうしても気になった。
本書によると、かつては「自殺の大蔵(現在の財務省)、汚職の通産(現在のの経済産業省)、不倫の外務」という言葉が霞ヶ関の共通認識とされていたとのこと。現在は、外務省が自殺、汚職、不倫の3冠王の汚名を着せられているそう。知り合いの父親も外務省の現役のキャリア官僚ですが、バツイチ。不倫が原因かどうかは知らないがが、この本を読んでいると、その可能性はゼロではないかなと思えてくる。著者が本書で実名を挙げて不正を働いたことのある人が複数取り上げられている。そういう人が今でも現役の大使を務めていたりすることが不思議。お咎めは済んだということなのかどうか。
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