小林峻一、加藤昭『闇の男 野坂参三の百年』(文藝春秋、1993年)

書評

古い本ですが、平成の時代に大宅賞を受賞したことのある作品です。こういう稀有な人がいたということを知っておくだけでの話しです。

日本共産党の議長まで務めながら、齢100歳になった年にその共産党から除名処分を受けた野坂参三。三重スパイであることはほぼ事実、五重スパイであったとも言われています。スターリンの大粛清が行われていた時代にソ連邦にいて、同じ日本人をソ連に売ったソ連のスパイの話しでもありました。

自分の妻の不貞を責めるのではなく、その相手の男性を密告して責任を取らせるのは、昔から知り合いの関係にあったからなのでしょうか、あるいは誰でもいいから密告をすることによって自分の立場を守ろうとしたのか、どちらなのだろうと思いました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました