勝間和代『お金は銀行に預けるな』(光文社新書、2007年)

書評

既に初版発行から16年も経っているので、読んでいて古さを感じることは否めない。しかし、書いてある内容はいずれも正しいと考えられ、納得させられものである。

不動産に関する考え方について、バブル崩壊以降、日本の地価は長期低落傾向にあるため、多額のローンを組んで完済したとしても、それが返済総額を上回る価値を有していれば得になるが、逆に下回るような価値になっていれば、お得度はぐっと下がる、ということになる(対比されるのが、だから賃貸の方がいい、という考え方である。)。

この考え方は、確かに金額だけで捉えればそうなのだが、住居費支払いとして使用代を毎月支払っていって、賃貸は何も残らない、ローンは価額が下がっても残る、と捉えれば、まだローンを組んで持ち家の方がいいように思われるが、どうなのだろう?

メモ事項
・「労働力による収入を生活の中心に組み立てるほど、より長時間労働に頼らざるを得なくなる」。これは事実と思う。
・そのために、「家計がよりリターンの高い金融資産を持ち、労働収入にすべてを頼らない収入を持つこと」が対応策として求められると説いている。
・「一般的に買ってはいけない住宅の最たるものが、新築マンション」と言っている。
・「労働収入の10%から30%を金融収入で積み上げる」。これは、相当に難しいと思うが、できれば安泰だろう。

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