日本の安全保障を裏方から支える役人たちの物語である。
ロシアによるウクライナへの侵攻が起こっている中で読んだだけに、ウクライナの話しが登場する箇所については、新聞で読んだ地名がそのまま表れていた。ウクライナ西方の都市、リヴィウが、オーストリア・ハンガリー帝国時代の古都であり、「帝政ロシアの版図に組み入れられることを拒み、スターリンの鉄の支配にも抗ってきた」ことは初めて知った。
著者がウクライナについて、「この国の政治はヤジロベイのように西に東に揺れ動いている」と表現していることは、まさに的を射ている。
著者は、登場人物に「中国とベトナムの女性はとっても強い」、「この国(日本)の女性はとってもやさしい」と言わせている。国際インテリジェンスの著者がそう言っているのだから、世界の共通認識なのだろう。
Signalというアプリの存在をいまさらながらにして初めて知った。また、中国の航空母艦「遼寧」がウクライナ産であることも初めて知った。
コメント