2024-04

書評

西加奈子『くもをさがす』(河出書房新社、2023.4)

作者と同じ乳がんになった人にとっては、とても身近に感じられる内容だと思う。 私が読んで印象的だったのは、作者の描くバンクーバーの街についてである。バンクーバーの広い道路、クルマが必須の住環境、海が近いこと、病院職員を含めたそこに住む人々の描...
書評

池井戸潤『花咲舞が黙っていない』(中央公論新社、2017年)

2024年13冊目。 購読している新聞で連載されていたことはなんとなく知っていたが、朝の忙しい時間は見出しだけで済ませることも多く、連載当時は読まなかった。 先週からテレビ放映されることを知り、通しで読んでみた。なかなか面白かった。題材は、...
書評

町田そのこ『52ヘルツのクジラたち』(中央公論新社、2023年)

2024年12冊目。2021年の本屋大賞受賞作品。現代の日本で極めてありそうな話しの筋書きだった。 推測だが、著者はこの本の主人公にこれまでの自己の一部を投影させていそうな気がする。
書評

若月澪子『副業おじさん』(朝日新聞出版、2023年)

紹介されていた書評で面白そうだったので、購入して読んでみた。内容は、副業しているおじさんへの取材や、自らの体当たり仕事体験をもとに書かれている本。自らの体当たり体験については、かつて読んだ、笹井 恵里子「潜入・ゴミ屋敷-孤立社会が生む新しい...