2023-02

書評

太田泰彦『2030 半導体の地政学』(日本経済新聞出版、2021)

面白かった。半導体と世界情勢を結び付けて、さらに政治の話しも盛り込んでおり、読み飽きることはない。文章表現に新聞記者としての経歴が滲み出ている。 著者が言いたいことの一つは、米中対決により米国が中国に対して半導体関連の締め付けをすればするほ...
書評

高乗正行『ビジネス教養としての半導体』(幻冬舎、2022年9月)

現代の日常の生活や仕事のあらゆる場面で使用されている半導体。この半導体について、ビジネスパーソンなら基本的に知っておきたいことがコンパクトにまとめられている。 日本の半導体凋落の一因となった日米半導体協定についても、触れられているが、もう少...
訪問

東京湾夜景航路(税込み1,000円)

新聞広告で東海汽船が東京湾夜景航路を1,000円で乗船できるとあったので、行ってきた。横浜の大さん橋を18:10に出航、竹芝桟橋に19:45到着の約1時間半の乗船である。 大さん橋から竹芝桟橋専用の運行ではなく、大島からの帰途、横浜港に寄港...
ランニング

クリストファー・マクドゥーガル『BORN TO RUN』(NHK出版、2010年)

書評では黒星5つ満点を付けられていることの多い書籍だが、どうも私には響かなかった。なにぶんにも、原著が英語である分、意訳されているとはいえ、日本人感覚からすると、つながらない訳があったほか、意味不明と感じられる部分がままあったということも関...
書評

楊海英『独裁の中国現代史 毛沢東から習近平まで』(文春新書、2019年)

この本のあとに発行された石平『中国共産党 暗黒の百年』(飛鳥新社、2021年)と重複する箇所もあるが、重層的に読むことで、現在の中国を支配する中国共産党の多面的な理解につながる。 石平氏の著書がタイトルどおりに批評的に書いているのに対して、...
書評

國重惇史『住友銀行秘史』(講談社、2016年)

著者の暗躍があってこそ、イトマン事件の規模がもっと大きくならずに済んだということは確かに言えるかもしれない。最後のエピローグにある次の一文が印象に残った。「もし、銀行で頭取になりたいのならどうすればよかったのか。それは何もしないことだ。減点...
書評

近藤麻理恵『人生がときめく片付けの魔法』(サンマーク出版、2010年)

読みながら思ったことは、著者の実家は裕福であった、ということである。たくさんのモノで溢れかえるほどにモノを買えるだけのお金があったということなのだろう。お金がなければ、それほどにモノを買うことはできず、したがって、片付けが必要なほどに増えな...
書評

ラトナサリデヴィ・スカルノ『デヴィ・スカルノ回想記 栄光、無念、悔恨』(草思社、2010年)

面白かった。インドネシアという国の戦後の歴史を知りたい人にとってはとてもいい教材となる。 何かの本を読んでいるときにこの回想録のことが述べられていて、そのときにアマゾンでちらっと調べて高評価となっていたので、ずっと気になっていた本であった。...