鈴木健夫『ぼくは痴漢じゃない!-冤罪事件643日の記録-』(新潮社、2004年)

書評

痴漢冤罪に巻き込まれたら、人生が狂ってしまうことになることを知る。

そもそも、この本は、周防正行監督の『それでも僕はやっていない』の映画を観てから購入、読んだものである。つくづく、世の中に公平さ、正義はないものだと実感する。この本を読み、刑事訴訟のことも多少分かった。

弁護士役の升味佐江子氏が検察の検事に向けて次のように書いており、これはもっと人間味のある働きをしてほしいということなのだろうと思う。すなわち、「山本周五郎や池波正太郎や藤沢周平や平岩弓枝や宮部みゆきや北原亜以子、澤田ふじ子、どっちかというと貧しくて、どたばたしていてあんまり整った人生を歩まない人たちの物語を読んでくれたらなあ、と思うことがあります。」

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