森博嗣『お金の減らし方』(SB新書、2020年)

書評

読後感の第一は、この著者のような性質の人は、決して多くはないであろうということ。珍しい方であり、不思議な方である。理系の学者にして文系小説家、印税で20億円を超える収入があるといい、お金を欲しいと思うことなくじゃぶじゃぶ入ってくる方である。

もっとも、著者が言うには、自分が価値を見出す目的や目標を成し遂げるために、または、それらを欲しいと思ってお金が必要なのであり、お金自体を最終目的としていない。ここが大事なところだろう。

淡々と素直に自分の思いを書いていている。ときに抽象的な表現ぶりがあり、何を言っているのか分らなくなる箇所があった。

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