峯村健司『台湾有事と日本の危機 習近平の「新型統一戦争」シナリオ』(PHP研究所、2024.2)

書評

発売日当日に購入した本。今の日本で最も中国通の一人で気鋭な峯村氏による生々しい読ませものであった。中国の台湾侵攻は、今まさにそこにある危機である。日本のことを真剣に考える議員なら、国会議員だけでなく、地方議会議員も含めて、必読の書と言ってもいいかもしれない。
・頼清徳政権が発足する5月20日を前にして、読んでおいて決して損はない。
・中国による台湾侵攻が危ぶまれている中、次期の台湾の総統である頼清徳氏が、駐米大使の蕭美琴氏を副総統に据えたのは賢明な判断。
・日本政府が公式に「脅威」とみなしている中国と、なぜに平和友好条約を締結し続けていられるのか、小学生感覚に思う。もちろん、大人の事情で締結し続けているのだが、昨年開催したような締結45周年記念会合などする意味があったのかどうか、甚だ疑問。
・2020年に中国で可決された国家統一法により、台湾を発着する航空会社の乗り入れを制限したりする権利を中国政府が行使できるそう。現在は台湾政府が台湾を統制しているので、中国が直接にその権利を行使することはできないだろうが、台湾併合を見越した措置といえる。
・在日中国人の人数は約75万人。この人数は、我が国の自衛隊、警察、消防、海保の総計を上回るそう。その75万人の中国人は、戦争になれば、中国の国防動員法による、日本に対する敵対行為の協力者となる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました