ジョナサン・スウィフト『ガリバー旅行記』(1726年)

書評

船乗りである主人公がさまざまな国に行って、一時的に過ごした国々のことを綴っている。自分よりも小さな人間だけの国、反対に自分よりも大きな人間だけの国、または馬が支配している国々などである。

本文中、次の記述があった。すなわち、「戦争の原因ならたくさんありますが、主なものだけを言ってみましょう。まず、王様の野心です。王様は、自分の持っている領地や、人民だけで満足しません。いつも他人のものを欲しがるのです。」という部分である。これは、隣国のトップのことを言っているようである。

この『ガリバー旅行記』、もともとは、佐藤優『世界史の極意』で取り上げられていたことから関心を抱いて読み始めたものである。佐藤優はこの本で、18世紀に欧州で取られた重商主義政策のメンタリティを皮膚感覚で理解するのに最適な文献として『ガリバー旅行記』を挙げている。曰く、ガリバーが未知の国から珍しいものを持ち帰って、それを売りさばくことによって利益を得ていることが分かるからだと述べている。

しかし、私がこの『ガリバー旅行記』を読んだ限りでは、そのような記述はほとんどなかった気がする。

コメント

タイトルとURLをコピーしました