文豪アーネスト・ヘミングウェイ原作「誰が為に鐘は鳴る」の映画を観た。
内乱が起こるスペイン。ゲイリー・クーパー演じるアメリカ人の大学講師・ロバートは、フランコ将軍を中心とする右派の反乱軍が管理する山間に掛けられた鉄橋の爆破を実行する使命を受ける。その山間で、ロバートは鉄橋爆破のための協力を得るジプシーのゲリラ隊が匿っていたイングリッド・バーグマン演じるマリアを紹介され、二人が恋に落ちるという物語であった。
文豪原作による有名な映画なので、一度は観ておきたいと思っていたが、感想はまあまあ、並みである。
この映画は今日的に時代背景を考えた方が面白い。原作の作品発表が1940年、米国での映画公開が1943年である。この間、日米開戦が1941年である。つまり、米国は太平洋戦争を行いながら、この映画を製作していたということである。
日本でも公開され、それは1952年であった。つまり、1945年の終戦からわずか7年後、敵国だったアメリカの映画を上映する判断がなされたこと自体、日本人の変節さを感じずにはいられない。
ところで、タイトル「誰が為に鐘は鳴る」にふさわしい場面はついに感じられなかった。
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